ツイッターのクラファンリツイートなどでよく目に留まる
FIP
という文字。
可愛そうだな…
大変だな…
などと思いながらその記事を読んでいても、そのFIPとは”どんな病気”で、”どんな症状”があって”猫ちゃんや飼い主さん達は何故苦しんでいるのか”まではわからない、無知な状態で過ごしていました。
そこで今回はそのわからない「FIP」を根掘り葉掘りと掘り下げて調べていき、その”何故か”を調査し、私なりの解釈も含めてできるだけ分かり易くまとめて記事にしていきました。
FIPは特に子猫の命に関わる重篤な疾患
FIPとは「Feline Infectious Peritonitis」の略。
日本語訳で”猫伝染性腹膜炎”という病気のことを指します。
この病気は現在、確定診断が困難かつ効果的な治療は現在もわかっていない状況。
また、予防法も確立されていないため猫ちゃんにとって最も恐ろしい疾患ともいえます。
大人になる前に発症した場合は”亡くなる可能性が非常に高い疾患”という恐ろしい病気です。
多くは1歳未満の子猫で発症。
発熱や食欲不振、体重減少、沈うつや黄疸、腹水等でお腹に水がたまるなどの症状が現れ、発症するまでの潜伏期間が数週間~数ヶ月、長い子だと数ヵ月~数年のケースもあるそうです。
一旦発症すると効果的な治療法が現在の医療では助けるすべがなく、発症後、数日から10日前後で猫は死に至ってしまうと言われています。
症状を一時的に抑えることはできても完治には至らず、治療でその症状が軽くなる場合もありますが、再び症状が悪化し多くの猫ちゃんが死んでしまいます。
FIPの原因は?
猫伝染性腹膜炎の原因は”猫伝染性腹膜炎ウイルス”というウイルスで”猫コロナウイルス”が変異して強毒化したものだと研究により解明されてきているそうです。
猫コロナウイルスに感染した猫のうち、5%~12%の猫、特に若いオス猫が猫伝染性腹膜炎(FIP)になるリスクが高いと推測されています。
どのような原因でFIPを発症するのか?については次のようなことが考えられます。
・猫の強いストレス
・免疫力の低下
・年齢
・猫の強いストレス
猫ちゃんにとってのストレスはFIPの発症に大きく関わっていると考えられています。
・免疫力の低下
強いストレスによる免疫不全、または他の病気にかかった事が原因で免疫力が低下。
それらによってFIPの発症に繋がるケースが報告されているようです。
・年齢
FIPは猫ちゃんが何歳でも発症するリスクはありますが、仔猫のほうがウイルスの増殖が活発なるため3歳未満で発症することが多いと言われています。
猫コロナウイルスに感染すると発症する
発症の原因は猫コロナウイルスですが、このウイルスは感染したとしてもその多くが軽い下痢程度ですむ病原性の低いウイルスです。
国内中の猫ちゃんの多くは、この猫コロナウイルスの感染経験があると考えられています。
しかし、体内に入ったウイルスが持続的に感染しているうちに突然変異となり、非常に強い病原性を得たウイルスに変異してしまうと重篤な症状を起こします。
この病気にかかりやすい品種については純血種に多いという話もあります。
その理由として、雑種猫は様々な混血が繰り返された中で獲得した細胞性免疫が純血種よりも強いため、FIPを発症しにくいのではないかと考えられています。
しかしこの見解に反論する論文もあるそうなのではっきりとは解明されていません。
どのようにして伝染するの?
・経口感染
親猫や感染している猫ちゃんと毛づくろいをし合ったりすると、その唾液等を介して感染するリスクがあります。
外の世界の猫との交流は見ていて「可愛いなぁ」と思うこともあるかとは思いますが、”リスクもあるんだ”ということを常に頭に入れておいてください。
・トイレ経由での感染
ウイルスに感染した猫ちゃん、もしくは発症した猫ちゃんの便を経由したのでは?と疑われる感染ケースも報告されています。
猫ちゃんがトイレをしたあとはすぐに掃除を行い、清潔に保つようにしましょう。
・人間経由での感染
例えば外でたまたま見つけた人懐っこい可愛い猫ちゃんがいたとしましょう。
その子が感染していたとして、可愛いからと撫でている毛に付着していたウイルスや、最中にペロペロされ、その唾液等が手についたとします。
その手で室内飼いの猫を撫でることで手に付着していたウイルスが移り、飼い主を介して猫ちゃんに移るという経路ができてしまいます。
猫コロナウイルスはアルコール消毒を行うことで不活性化されると言われています。
外出後はしっかりと手洗い・消毒を行うことでそれらを未然に防ぐことができるので、猫ちゃんのためにもしっかりと予防してあげましょう。
新型コロナとは関係ないの?
同じ「コロナ」という名前でも新型コロナウイルスとは別物。
FIPの症状とは?
FIPの症状は様々。
まず大前提に元気や食欲の低下、発熱、体重減少が見られるので、これらが持続的に続く場合はFIPを疑う必要があります。
また、ごく少数に現れる症状に痙攣発作や知覚過敏、行動異常を示す場合もあります。
そんな様々な症状が猫ちゃんに現れますが、大きく分けてウェットタイプとドライタイプの2種類に分類されます。
・ウェットタイプ
脱水や貧血、胸やお腹に水が溜まり呼吸がしにくく苦しくなります。進行が速く、診断後2週間〜1ヶ月程度で亡くなるケースも多く報告されています。
・ドライタイプ
体の中のいろいろな臓器に肉腫(しこり)を作るのが特徴で、腎機能の低下や腎腫大を引き起こします。眼の色が変わった時や、脳への影響を受けて神経症状を生じさせることもあるそうなので、そういった心当たりのある症状の猫ちゃんはFIPを疑う必要なあります。
・その他
その2つのタイプ、両方の症状が現れる猫ちゃんもいるそうです。
FIPの治療法、治療費は?
FIPに対する有効な治療法は、現代の医学では残念ながら確立されていません。
近年動物病院で行われている治療は、猫ちゃんの症状を少しでも和らげてあげたり、少しでも長く生きてもらいたいと願う延命治療の対症療法です。
いずれもある程度の効果を示しますが、完治は非常に困難だと言われています。
今もこの不治の病については様々な治療法が研究されているので、この病気で苦しんでいる猫ちゃん達のためにも治療方が確立されることを願っています。
・再生医療という選択
FIPの治療法のひとつとして、再生医療という方法があります。
この治療法は、猫ちゃん自身の身体が持っている修復機能や自己治癒力を利用して、ウイルスに対して抵抗力を付け、病気と戦っていく医療です。手術などよりも身体に負担が少ないことが大きなメリットです。
・治療費はどれぐらいかかる?
様々な治療法や入院期間、個体差などもあるので一概には言えませんが、クラファン等で調べてみるといずれも高額で、大体100〜300万円の間程度に水位しているように見受けられます。
FIPは完治するの?
FIPの致死率はほぼ100%で、1年後に生存している割合は5%未満です。
特にウェットタイプは進行が速いそうです。
FIPが完治したという話題がインターネット上でささやかれることもありますが、完治は奇跡に近く、検査をしていない飼い主が似た症状から勝手にFIPと思い込み、実際には違う病気だったのに体調が戻ったため「治った」と思い込む例があります。
事実かどうかも不明であるため過剰な期待はできないです。
ただし、近年の研究によれば免疫対策や抗炎症対策、肝機能対策等をしっかり行い、猫ちゃんにとって病気と闘う上で必要な栄養素補給をしっかりと行う事で、末期だと診断された猫ちゃんであっても長期に生存できる可能性も出てきました。
頑張った子では発症後2年以上生存した猫ちゃんもいるそうです。
FIPの予防法はあるの?
日本中の猫ちゃんが持っているウイルスなので、完璧に防ぐことは困難です。
ワクチンは一部の国では販売されているそうですが有効性が確実でないため、残念ながらここ日本では認可がおりず購入することができません。
ウイルスに感染していない親猫から生まれ、清潔な環境で室内飼育されればFIPを発症することはないでしょう。
人間への感染の可能性は?
このFIPは人に感染することはありません。
まとめ
FIPは、多くの猫ちゃんと飼い主が苦しんでいる不治の病です。始めはなんとなく元気がないな、ご飯をあまり食べなくなったな、目の色が変わった?などの症状から始まります。
日々の中で気になった小さなサインに気づいた時ときは、早めにかかりつけの獣医師とよくご相談ください。
大切な家族ですので納得のいく治療をしてあげるためにも、ペット保険への加入を検討してみるのもよいかもしれません。
\応援クリックお願いします!/
コメント